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FP資格(ファイナンシャルプランナー)|お金で損したくないなら節約本よりFP教科書を買うべき!

保険を見直すきっかけでFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取りました。

国家資格ではありますが、2級、3級は学習すれば誰でも簡単に取れる資格なので、この資格だけで仕事にありつけるかというと、まぁ難しいとは思います。

ただ資格を取る取らないは別としても、FP資格の勉強をすることで保険や税金などの知識を広く浅く学ぶことができます。

いわばお金にまつわる一般教養をまとめて学べる実生活で役に立つ資格です。

FPの学習を特におすすめしたい人

本当は日本に住んでいる人全員におすすめしたいのですが、お金で損をしたくないという方にはうってつけです。

こんな方におすすめ

・希望の生活設計(ライフプラン)を実現するための資金計画を立てたい
・株などの資産運用に興味がある
・自分に必要な保険が分からない
・税金を少しでも安く抑えるための方法や控除を知りたい
・不動産の売買予定がある

言葉は知っていたり、なんとなくは分かるという身近な制度や仕組みに関することが多いので、学習にも取り組みやすく、なるほど!と思うことも多いです。

FPで学べることは6分野

FPでは以下の6つの分野について学ぶことができます。

ライフプランニングと資金計画

ライフプランニングの手法や社会保険の仕組みなどを学習できます。

現在の資産状況や今後必要な資金、それを踏まえて将来の収支状況と貯蓄残高の予想などを立てる手法を学びます。

子どもの教育費って今の生活で準備できるかな?老後の生活設計どうすればいいの?という方は、考え方の基本が分かるようになります。

また健康保険や雇用保険、公的年金といった社会保険の仕組みや内容も学ぶことができます。

例えば、こちらの記事「医療保険がいらないと言われる理由を詳しく解説|実際に保険解約して気付いたこと」で解説しているような、高額療養費や、後期高齢者医療制度、公的介護保険などについても知ることができます。

民間の医療保険や介護保険は加入した方が良いのか、今、加入している保険内容は手厚すぎないかということが判断しやすくなります。

リスクマネジメント

リスクマネジメントでは、生命保険や損害保険、医療保険の仕組みや内容について学習します。

自分にもしものことがあった場合、残された家族に必要な保証額はいくらか。遺族年金・遺族厚生年金だけでは、いくら不足するか。この不足分をもとに必要な生命保険を検討できます。

基本的な生命保険には「定期保険」「終身保険」「養老保険」がありますが、違いが分かりますか?

ちょうど、Yahoo!JAPANでこんな記事を目にしました。

出典:Yahoo!JAPAN3000万円の死亡保険」のはずが「200万円」と言われて憤る60代女性の勘違い

自分が加入している保険がどういった保険か正しく理解することで、こういった勘違いを防ぐことができます。

他にも火災保険、地震保険、損害保険、自動車保険などの基本的な知識も身に付きます。

金融資産運用

金融・経済の基本から債券、株式、投資信託、外貨などの金融商品について学習します。

資産運用に興味があるという方は知っておくべき基本的な内容です。

債券の種類や債券利回りの計算、市場金利の変動に伴う債券の価格変動の仕組みも分かります。

タックスプランニング

タックスプランニングでは、主に所得税について学びます。

所得には給与所得以外にどんな種類の所得があるのか。所得税って、どのように計算されているのかということが分かるようになります。

さらに生命保険控除、医療費控除、配当控除など知らないと損をしているかもという控除についても合わせて学習できます。

例えばiDeCoは受け取り時に税金がかかりますが、退職所得控除などを勉強することで、出来るだけ税金を安く抑える受け取り方(出口戦略)が分かるようになります。

不動産

不動産の売買契約や不動産に係る税金について学習します。

不動産の「取得」「保有」「売却」「賃貸」時にかかる税金やその計算式も学べます。

不動産売買の予定のある方は、知っておくと良いかもしれません。

ただ不動産分野は分譲マンションを所有している程度では、あまり活用できる情報はなかったなというのが率直な感想ではあります。

相続・事業継承

相続に関する法律の基礎知識や、相続税・贈与税などについて学べます。

亡くなった人の法廷相続人は誰になるのか、相続分の割合はどうなるのかということや、相続税の基礎控除額などが分かるようになります。

年間110万円以内の贈与であれば税金はかからないというのを聞いたことがある方も多いと思います。

こういった贈与税に係る控除や、教育資金・結婚・子育て資金の贈与税の非課税措置などを知ることが出来ます。

FPを学習して役に立つこと、分かったこと

FPを学習して理解が深まったこと、実際に役に立ったことを具体的に紹介します。

老後のお金の不安を具体的に考えられる

一時期話題になった「老後2,000万円問題」。しれっと2,000万円から55万円に減少したとか、しないとか。

とはいえモデルケースが2,000万円でも55万円でも結局、自分が老後にいくら必要なのかが大事ですよね。

以前のわたしは「老後のお金とか、今から考えてもどうしようもないし、とりあえず貯められるだけ貯めるしかないか。でも不安…。」という状態でした。

現在は「今から考えればどうにかなる。むしろ今から考えないとどうしようもなくなる」という考えに変わりました。

老後のライフプランを考える一例

1:老後の毎月の生活費はいくらかを考える
2:年金の受給見込み額を確認
3:年金から毎月の生活費を引いた不足分はいくらか
4:(長生きリスクも考慮して)100歳まで生きた場合、不足分は総額いくらになるか

これでざっくりですが老後資産として、いくらくらい必要か検討はつきます。

将来なにがあるか分かりませんし、インフレリスク、マクロ経済スライドなど考慮すべき点はたくさんありますが、試算はあとからでも修正できます。

まずはざっくりでも、試算しておくことが大事。

とりあえず、余裕を持った試算をしておくと良いと思います。

そのうえで、今の生活を続けた場合、必要な老後資産は準備できそうか、足りないならどれくらいかを考えます。

この時に、FPで学習するライフイベント表・キャッシュフロー表・個人バランスシートが役に立ちます。実際に表の作り方も学べますし難しくはないですが、ひとまず考え方が分かれば充分だと思います。

最後に老後に向けて資産目標を立てたら、目標を達成するための対策を考えます。

対策

1:副業・転職・事業をする(収入を増やす)
2:年金の繰下げ受給(年金を増やす)
3:iDeCoなど確定拠出年金を利用する(節税)
4:保険などの固定費を見直す(節約)
5:必要なリスクを取る(資産運用)

この辺の正しい知識がつくことで、色々と具体的な対策も考えることができます。

年金の繰下げ以外はすでに実行しています。

相続税の心配がなくなった

生命保険は相続対策としても活用できます。

相続の際、生命保険金は「500万円×法定相続人の人数」が非課税になります。

例えば法定相続人が3人の場合、1,500万円までは非課税です。

そこで生命保険金として財産を遺族が受け取れるようにしておくことで、相続税の節税ができるというわけです。

実際に、約499万円を支払って500万円を受け取るような相続対策を前提とした保険商品もあります。

ただ相続には、そもそも「遺産に係る基礎控除」があります。

相続税は、いくらまでなら控除されるかご存知ですか。

「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」です。例えば、相続人が配偶者と子ども2(合計3人)だとすれば遺産が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。

わたしは、これからどんなに頑張って資産を増やしても恐らく基礎控除内でおさまるな…というわけで、相続税に関しては対策は必要ないことが分かりました(笑)

FPを学習していれば役に立った過去事例

過去を振り返って、FPを学習していれば役に立ってたんだという事例も紹介しておきます。

わたしはバツイチですが、離婚する時に厚生年金を分割できる制度があります。

子育て期間中など専業主婦やパート勤務で厚生年金に加入していない期間は、第3号被保険者になりますので厚生年金はありません。

その期間の夫の厚生年金を分割することができます。2008年5月以降に離婚した場合は夫婦間の合意がなくても分割できます。

市役所などで色々な公的手続きをする中で、誰もこの事を教えてくれなかった気がします。(聞いてなかっただけ?)

公的手続きを自分で調べているなかで、そういう制度があることを知ったのですが、年金分割の手続きは原則として、離婚をした日の翌日から2年を経過すると請求できなくなります。

わたしは知ったうえで制度は利用しなかったので納得していますが、年金分割制度を知らずにきっちり財産分与したつもりが、2年以上経過してから知ったら発狂しますよね(笑)

また別の例では、住宅ローンの繰り上げ返済には、返済期間短縮型(毎月の返済額を変えずに期間を短縮する方法)と、返済額軽減型(返済期間は変えずに毎月の返済額を減らす方法)を選べます。

10年以上前に最初の住宅ローンの繰り上げ返済をしたときは、利息の軽減効果に差があるなんて考えもしませんでした。

これも、わたしの記憶では銀行は教えてくれなかったです。

単純に、毎月安くなるか、返済期間が短くなるか好みで選べば良いくらいに思っていました。

ちなみに、返済期間短縮型の方が利息の軽減効果は大きいです。

2回目の繰り上げ返済をしようとした時に、ふと、どっちがお得とかあるのかな?と思って調べたことで分かりました。

早くローン返済を終わらせたかったので、返済期間短縮型を選んでいたので良かったのですが、もし返済額軽減型を選んでいたら後悔するところでした。

早く勉強すればするだけ、FPで学習したことがが役に立つ機会も多いということです。

FPだけでは足りないことも多い

FPは6つの分野を広く学べる分、論点は非常に浅いです。

タックスプランニングなら税理士、不動産なら宅建士など専門の資格がありますが、その準備レベルなので、FPを勉強しただけでは分からないことも当然たくさんあります。

例えば、株式投資を行う時の判断基準となる指標として、PER(株価1株当たりの純利益)やPBR(株価1株当たりの純資産)というものがあります。

FP2・3級の論点では、株価はPERやPBRが低い方が割安、高ければ割高というところまでしか学べません。

実際に株式投資をする時に、「PER・PBRが低い方が割安と言っても具体的な目安は何倍?」って話ですよね。

一般的にPER15倍以下、PBR1倍以下が目安と言われていますが、成長性を期待されている企業や、業種によってもかなり差があります。

実際に投資を始めて経験を積まないと自分で判断できるようにはなりません。

株式投資に限らず経験してはじめて学べることも多いですが、そんな時にもFPの基礎知識で土台を固めておくことは有利に働きます。

FP学習するなら・資格を取るなら

FP2級・3級ならスクールに通ったり、講座を受講したりする必要は全くありません。(※実務経験がない場合は、独学は3級からでないと資格は取れません)

わたし自身、仕事はFPとは全く関係なく、学生時代の偏差値も並、算数レベルでつまづいているほど数字が苦手ですが、独学で1回で合格しています。

こちらのテキストのみで合格出来ました。

イラストや図解も分かりやすく資格を取ろうという方も、学習だけで良いという方にもおすすめです。

年間売り上げNo.1だそうで、確かに試験会場でもこのテキストを持っている方をチラホラ見かけました。

資格を取る方は、問題集も合わせて購入した方が良いです。解答解説がポイントを抑えていてうまくまとめられていますので、苦手な分野も効率よく得点力アップに繋がります。

節約レシピや節約アイデアなどの本を買うなら、まずはこの教科書を買った方が大きな節約に繋がる可能性大です。(節約本を否定はしていませんっ。わたしも大好きです!)